ビデオ会議で遠方チームに「伝わらない」と思ったら、一度「顔合わせ会」を開催する

レベルの高いチームを作ろうとすると、必ずしも近場に住んでいる者だけでチームが作れるとは限らない。最近はビデオ会議やチャットツールが便利になり、リモートワークも進みつつある。こうした状況下で、地理的に分散したチームになる機会も多くなってきている。例えば、UIデザインの担当は京都のチーム、プログラムを実装するのは東京のチームといった役割分担になることがある。

こうしたチームでよくあるのは「なぜかビデオ会議だとうまく伝わらない」という問題だ。聞いている質問と答えがチグハグだったり、発言と発言がかぶさってしまったり、何度も同じことを違う言い方で言わないとならなかったりする。ビデオ会議に参加している皆がストレスに思う状況だ。

解決策

私の経験上、不思議なことだが、これは一度会っておくだけで90%は解決する。(残りの10%は、たぶんビデオ会議の技術が進歩しないと解決しない) 。チーム全員で会う「顔合わせ会」を設定し、一度も会ったことがないチームメンバーがいる場合は、全員が一度顔を合わせるようにする。

ビデオ会議は相手の表情も音声も伝えてくれるが、それでも対面と比べると情報が欠落してしまう。一度会うことで、その欠落した部分をあったときの印象を元に脳が補ってくれる。これにより、ビデオ会議での発言がうまく伝わりやすくなる。

解決策の実施手順

  1. 「顔合わせ会」をスケジュールする
  2. 顔合わせ会で雑談とチームワークの方針決めをする

ステップ1: 「顔合わせ会」をスケジュールする

チームメンバーが一堂に会する「顔合わせ会」をスケジュールする。2時間は確保する。最初の1時間は雑談。次の1時間は、コミュニケーション方法の取り決めや、今後の進め方など方針を話し合う時間にする。

遠方のチームを呼んだり、こちらからチームを派遣することになるが、このとき必要になる宿泊や新幹線の乗車券を手配しておく。かかる費用は少なくないが、得られるメリットのほうが多い。

ステップ2: 顔合わせ会で雑談とチームワークの方針決めをする

顔合わせ会でチーム全員がそろったら、まずは1時間雑談する。自己紹介からはじめ、チームメンバのバックグラウンドを皆が知れるようにする。次の1時間に、チームワークの方針決めを行う。

普段のコミュニケーション

コミュニケーションの方法を全員で話し合い、やりやすい方法を決める。例えば、Slackのチームを作り、普段はメールではなくチャットでやりとりする、文字では話しにくい場合はビデオ会議にappear.inを使う、といったルールを決める。

仕事の流れ

タスクを完遂するための仕事の流れを整理し明確にする。例えば、東京のプロダクトオーナーが機能一覧を作ったら、京都のチームがワイヤフレームを作成し、東京のプロダクトオーナーのレビューを受ける。問題なければ、京都のチームが画面を実装する、といった大まかな流れを決める。

その後: チーム全員で顔を合わせる

時間が立つとしばらく会っていないメンバー同士の距離感は徐々に離れていく。距離感を「顔合わせ会」で会ったときのものと同等にしておくためには、週に1度は相手の顔をみて声を聞けるミーティングを設定する。地理的に離れていて会うことが難しい場合はビデオ会議でもよい。このミーティングでは、週の振り返りを行ってもいいし、雑談の時間でも良い。