エンジニアに期間が「わからない」と言われたらタスクを細分化して具体的に
エンジニアに、「こういう機能を作るのにどのくらいかかる?」と聞くと「わからない」という返事がくることがある。こうした返事を初めて聞いたなら、びっくりするかもしれないが、まずは喜んでいい。あなたのチームに責任感の強いエンジニアがいる証拠だ。
責任感の強い人ほど、不確定要素が多いとき、自信を持って答えられないときに、こうした返事になる。エンジニアは自分のひとことで納期が決まってしまい、取り返しのつかないことになるのを恐れているのだ。
「ざっくりでいいので」「とりあえず概算で」や、「これは確定じゃないから」などの理由を付けるのも逆効果だ。経験豊富なエンジニアは、これが本当ではないことを知っている。かりそめで決めたものがいつのまにか独り歩きすることは経験で知っているからだ。
この問題の根本的な原因は情報不足にある。
解決策
機能やタスクの内容をより明確にし、エンジニアが判断するのに十分な情報を提供する。
解決策の実施手順
- 作りたいものを明確にする
- 手書きで画面のスケッチを書く
- エンジニアと一緒に工数を考える
ステップ1: 作りたいものを明確にする
まず作りたいものを明確にする。作りたいものの機能のイメージがよくわかないときはユーザのストーリーで考えるとよい。例えば「ユーザはショッピングカートに商品を入れられる」や、「ユーザは商品をクレジットカード決済で購入できる」といったユーザのできることを考える。作りたいものの一連のストーリーを書きだす。
ステップ2: 手書きで画面のスケッチを書く
エンジニアが工数を見積もる手がかりとして効果的なものが画面スケッチだ。ストーリーや機能の画面スケッチを手書きで書き出す。パワーポイントも、凝ったワイヤーフレーム作成ツールも、モックアップ作成ツールもここでは不要だ。画面スケッチは考えを伝えるために使用するのでデザイン性などはこの時点では考えないからだ。形式にこだわる必要はない。今そこにあるプリンターのトレイからA4用紙を引っこ抜いてきて、鉛筆でおもむろに書き込んだって良い。
ステップ3: エンジニアと一緒に工数を考える
一連のストーリーと画面スケッチをエンジニアとのミーティングで共有し、ストーリーと画面スケッチを見せながらストーリーの説明をして、ストーリーごとに開発にかかりそうな期間をエンジニアに答えてもらう。全てのストーリーの期間が出たら、その合計が開発期間となる。期間が長すぎると感じればストーリーをより厳選するか優先順位を変更するとよい。